2021年名門横浜高校への勝利まであとアウト1つのところで敗れてしまった広島新庄。広島新庄には以前まで迫田守昭監督が率いていました。緻密そして奇策を武器として戦ってきた知将でしたが、監督のマンパワーで勝ち上がる野球をしていました。宇多村聡監督になっておきた変化について解説していきたい。
広島新庄高校野球部
学校名 | 広島新庄高等学校 |
監督名 | 宇多村聡 |
甲子園出場回数 | 春3回/夏3回 |
主なOB | 田口麗斗(ヤ) 堀瑞輝(日) 山岡就也(ENEOS) |
2007年秋、名将迫田守昭を野球部に監督に就任を機に、強豪校へと生まれ変わります。2014年春の選抜初出場を果たすなど、3回の甲子園出場。県北に強豪に仕立て上げた。
迫田守昭の野球から宇多村聡の野球の変化と将来性
どう変わったのか
選手自ら考えてプレーするところ
将来性
甲子園優勝を狙えるチームになる
どういうことか、広島県外のでは読者はよく意味が分からないと思うが、
なぜ私がそう思い、予想したのか徹底考察していきます。
迫田守昭の野球
名前 | 迫田守昭 |
球歴 | 広島商→慶応大→三菱重工広島 |
監督歴 | 三菱重工広島ー広島商ー広島新庄 |
実績 | 都市対抗優勝 甲子園春2回 夏3回 |
守備×投手力×采配
守備で選手を選び、好投手を中心に守り勝つ野球を展開します。
一方で選手に考えさせてプレーさせることはありませんでした。
例えば
- 試合前の分析
- キャッチャーの配球の指示
- 細かい野球
これらです。詳しく解説していきます。
試合前の分析
対戦相手のチームを迫田監督が徹底的に分析します。
選手の特徴はもちろん。采配のクセやタイミングまですべてをあぶりだし、万全な準備で試合に臨んでいました。
偵察も選手の分析に頼らずに自分でやる所が本当にすごいです。
そして勝つという。。。まさに知将
- 監督の最強すぎる分析
普通、偵察や分析は選手に委託するよね。
キャッチャーへの配球指示
分析を生かし、捕手へ配球を指示(サインを出す)することで相手を打ち取ります。
捕手の頭脳は迫田守昭監督になります。
元キャッチャーの経験を生かして60年以上の経験値を誇る洞察力で高校生程度の打者はあっけなく打ち取られていきます。
- この道60年の配球
細かい野球
『1,3塁のディレードスチール』
『バントの構え、バスターかも』
『ランナー3塁ここで代打,スクイズ?』
『新庄は何してくるかわからない。』
足や小技を積極的に使い相手チームの嫌がる野球を展開します。
ミスやほころびがでると一気に付け込み、大量得点。。。
メンタル的な面でも優位に立つことで年々強いチームになっていきました。
早稲田実業戦のホームスチールは記憶に新しい
- 甲子園でもホームスチールほどの策士
迫田野球まとめ
これらをすべて迫田守昭監督の指示によって勝ってきました。
まさに迫田監督のいうことを聞けば勝てる状態。。。
そのこともあったせいか、新庄の選手は大学で活躍する選手が少なかったです。
- 選手の野球脳を鍛えれない
宇多村聡監督で起きた新庄野球の変化
名前 | 宇多村聡 |
球歴 | 広島商→東洋大→サウザンリーフ市原 |
監督歴 | 広島新庄 |
実績 | 甲子園春1回 夏1回 ※広島県大会3連覇中 |
迫田監督時代には選手は考えなくても監督が代わりに思考し、対策、分析することで勝ってきたチームでした。
しかし宇多村監督になってから選手自ら考えてプレーする機会が多くなりました。
迫田守昭政権時代の新庄の野球
- 試合前の分析
- キャッチャーの配球の指示
- 細かい野球
監督が操作するパワプロみたいな野球やったな。
宇多村聡政権時代の新庄の野球
- キャッチャー配球指示しない
- ケースバイケースの攻撃
- 選手主体のチームへの変化
キャッチャーへの配球指示廃止
キャッチャーへの配球指示が無くなりました。キャッチャーの頭脳が育たないことが無くなると思います。
- 脱迫田ロボット
ケースバイケースの攻撃
迫田監督は確率論で野球をします。クリーンアップでも、送りバントは当然のようにやらせていました。
しかし宇多村監督は簡単に送らないこともあるので、細かい野球に豪快さも付け加えた攻撃を展開しています。
- 打ち勝つ野球も展開
選手主体のチーム
これまでは
『迫田監督のいうことを聞けば、なぜか勝てる。』
現在
『どうやったら相手チームに勝てることができるか。』
宇多村聡監督になり、選手自身で考える機会が増えました。
監督に頼らない、現場で感じるからこそわかる戦術や有効な戦略もあるでしょう。
まさに監督の考えと選手の考えが混ざり合う意志疎通したチームになり、甲子園優勝が狙えるチームになるのではないかと期待してやみません。
宇多村聡監督は34歳というまだ若い監督で選手とのコミュニケーションに長けています。
広島新庄野球部の将来性
将来性は大ありです。
広島県のみならず、全国でもその名を轟かせる高校になっていくと予想しています。
新庄が強くなっていく理由
- 迫田イズムを継承+現代
- 強者を倒す野球を熟知
- 能力値の高い選手の増加
迫田監督時代には田舎に高校があることもあり、もともと選手があまり集まってこなかったことが歴史的背景にあります。
その中でも実績を作り、迫田野球の真骨頂
弱者がいかにして強者に勝つか
計算された野球、時には奇策をし、たびたび下剋上を起こしました。
その真横で宇多村監督も当時コーチとして経験を積み、ノウハウを間近で学びました。
また甲子園に出場することで、さらに良い選手も入ってくるようになったのです。
今では広島や中国地方だった選手層が、関西や九州から
『上を目指したい。』
『甲子園に行きたい。』
『 新庄で野球がしたい。 』
という球児がたくさん入ってくるようになりました。
戦術や野球を熟知している監督に能力値の高い選手はまさに鬼に金棒状態…
迫田委託野球から選手自身が考えて動けるチームは、さらなる可能性を秘めており、全国屈指の強豪校になるのではないかと私は見ている。
- 新庄黄金期到来するかも
まとめ
迫田野球
- 試合前の分析
- キャッチャーの配球の指示
- 細かい野球
宇多村野球
- キャッチャー配球指示しない
- ケースバイケースの攻撃
- 選手主体のチームへの変化
迫田野球の良さは語りつくせないくらい多いですが、宇多村野球の方が未来があることが分かったと思います。
本当に強いチーム。つまり甲子園で優勝を狙えるチームになる可能性を秘めています。
新生新庄の快進撃はまだまだ始まったばかりで、広島県の高校野球においても目が離せない。
コメント